雨・・・いろいろ・・・

・雨

雨は大昔から、生き物や作物を生かし育ててくれる天の恵みであり、洪水や氾濫をもたらす天災にもなるものです。また、四季の移り変わりを楽しむ日本人にとっては、美しい情景を作り出す風情に満ちたものでもありました。和歌・俳句や浮世絵のなかで描かれたり、「五月雨」「時雨」「村雨」「小糠雨」などと、雨をさまざまな名称で呼び親しむ文化も生まれています。昔の日本人にとって、雨は生きることに密着した重要なものであると同時に、四季の彩りを楽しむためのものだったのです。
 

アジサイ

ガクアジサイ
花びらに見えるのは実は4枚のガクだそうで、飾り花とか装飾花とか、季語では四葩(よひら)という。このガクアジサイの中に集まった両性花がすべて装飾花に変わったものがいわゆるアジサイだそうだ。このガクの色が普通淡い青紫色であることから紫陽花という漢字があてられ、その色が淡紅色に変わっていく様から七変化ともいわれるそうである。
このアジサイシーボルトが妻の”お滝さん”の名前を学名につけたという話を聞くと、この花にいっそう興味がそそられる。逆輸入された西洋アジサイ、ハイドランジャーも”水の器”の意というから、まさに梅雨にふさわしい花だといえる。

水無月

旧六月は現在の7月で、梅雨も終わり、暑さで水も涸れるから、”水が無い月”と解釈するのがほとんどだった。そんな中で、田んぼに水がいっぱいたたえられているので、水月(みなづき)というのがあった。”水な月”の””は無ではなく所有格の””で、”水の月”を意味するそうだ。これなら7月の梅雨にも対応できる。なるほどな意味である。